先日モンキーセンターで淡路島のサルについてレクチャーを受けた後、近くにある畑田組という集落を訪れました。居住人口はわずか3人、超限界集落とも呼ばれる上灘地区の集落の1つです。集落を再生させようと様々な試みを実践している上灘里山里海再生委員会の方々と共に集落を散策してきました。

平家の落人伝説もあるエリアで、集落のあちこちに美しい石組があります。
石組1 石組2

そして、集落の奥には自然が広がります。山の合間にきれいな川が流れていて、暖かい時期にやってきたら楽しいだろうなと思いました。
川 奥の院

集落からは海が一望でき、近くに浮かぶ沼島もきれいに見えました。再生委員会の活動の結果なのだと思いますが、私の中にある「限界集落」というイメージとはかなり違っていて、(正しい表現なのかどうか分かりませんが)「いい所」なんですよ。海を見渡すお風呂も発見。
沼島 お風呂

しかし、一方で使われなくなった家が廃屋となっていきます。壊そうにも、どこか他の地に行ってしまった持ち主の方との調整も必要となるでしょうし、当然コストもかかります。木造の家は瓦を外して燃やすこともできるが、コンクリート作りの家などは解体するだけでも大変だと仰っていました。
廃屋

スーパーや病院など生活インフラとのネットワーク化には必ずしも成功していない地域のため、定住には課題があるかもしれません。しかし、近くには水仙で有名な灘黒岩水仙峡があり、国生み神話とゆかりの深い沼島への港があり、モンキーセンターがあります。別荘、観光、アウトドアといった切り口で考えるなら、魅力あるエリアだと感じるのです。
ただし一方で、この集落に住んでいる方、今は離れた地にいてもここに住んでいた方は、本当にそういったことを望んでいるのだろうか…、とも思います。試行錯誤しながら、「再生」の先にある集落の具体的な姿について、同じイメージを共有できるかどうかが大事なのかもしれません。

改めて、地域活性化といっても簡単じゃないなと感じた次第。淡路島に限らず、地方にはこういった限界集落がたくさんあるのでしょう。引き続き、勉強してみたいと思います。