災害への備え

東京に住んでいた私が、移住先として淡路島に興味を持ち、実際に足を運んで土地を探していた時、

ある程度標高の高い場所にあること

が条件の1つでした。防災を意識してのことで、東日本大震災の経験があったことは言うまでもありません。別荘ではなく定住を考えていたので、どれだけ景観が良くても、あまりに海に近いエリアは候補から外していました。

結果的に良いご縁に恵まれ、今に至る訳ですが、実際に住んでからも災害への備えは日頃から考えていたりします。食料、そしてエネルギー。長期のキャンプや車中泊の経験がある方ならお分かり頂けるはずです。エネルギーのありがたさを(笑)。

という訳で、我が家にはカセットガスを常備しています。キャンプグッズがありますし、カセットコンロの火さえつけば大抵のことはできますからね。
そしてもう1つがポータブル電源です。スマホは今やライフラインといっていいでしょう。さらに、私の場合、日々のトレードを継続するために1日1度はPCを起動する必要がありますし、Webサービスの安定運用にも責任を持たねばならない立場です。会社員時代の経験と人脈のおかげで、今のところ安定運用に成功していますが、システムにトラブルはつきものです。万一それが災害中に起きたら…。お金に直結するサービスですし、私にとって災害への備えはもはや義務と言えます。

でも、ポータブル電源を使い切っても電気が復旧しなかったら困るよな

そんなことを考えていた時にソーラーパネルに出会いました。ポータブル電源を繰り返し充電できたら、半永久的にスマホやPCを使い続けることができます。この安心感は私にとって非常に大きいものでした。仕様を確認する限りイケる気がしたので、実際に購入してみたんですが、想像以上に使えることが分かってきました。

購入したソーラーパネル

私が購入したのは、BALDRというブランドのソーラーパネル。

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Amazon限定ブランドのようで、私自身聞いたこともありませんでしたが、テスラ社のエンジニアが開発に携わっているようです。詳細は省きますが、テスラ社といえば電気自動車ですが、私はテスラ社のコアテクノロジーはバッテリー技術にあると考えているもので、そういった意味で印象は悪くありませんでした。

  • 発電性能は良さそう
  • ポータブル電源のメーカーに縛られたくない
  • 120Wのソーラーパネルにしては比較的安価
  • Amazonのレビューも高い

ということで購入してみたんですが、届いたブツはこんな感じです。

Solar1

折りたたみ式になっていて、ビジネスバッグより一回り大きいですが、片手で十分持てます。
開くとこんな感じになります。

Solar2

裏側にケーブル類が収まったポケットがあり、LEDで既に発電が始まっていることが分かります。

Solar3

ポータブル電源との接続

おそらく多くの方にとって不安なのがポータブル電源との接続かと思いますが、このソーラーパネルには出力コネクタとしてDC7909、DC5525、DC5521といった3種類のDCコネクタ、さらにアンダーソンコネクタやXT60コネクタまで付属しているので、現在発売されているポータブル電源なら大抵のものには接続できると思います。

ただ、我が家にあるポータブル電源は随分前に買った初代のAnker Powerhouseで、DC入力の形状が微妙に合いません。そこで、Powerhouseに付属しているDC5521ケーブルを使って一工夫することになります。

Solar5

左側がソーラーパネルのDC5521コネクタ、右側がポータブル電源(Powerhouse)のDC5521コネクタで、中央に写っている「DC5521メス-メスアダプタ」のみ別途準備しました。ご参考までに解説しておくと、DC5521というのは外形5.5mm、内径2.1mmであることを意味し、日本で最も普及している規格で、アダプタを探すのは決して難しくありません。

Solar6

最終形態はこんな感じになります。

Solar4

ソーラーパネルによる発電&蓄電

さて、このソーラーパネルを使って実際にポータブル電源を充電してみました(5月の晴天時に実験)。

Solar7

結果がこちら。

10:03 9%
13:13 81%
15:20 100%

81%を確認した時に1度だけ太陽に合わせてソーラーパネルの方向を変えましたが、それ以外はひたすら放置です。半日あれば満充電までいけるという個人的に大満足な結果となりました。この後も既に何度か使っていますが、確かに晴天であるほど充電は早いですが、少々の曇り空でも充電されます。又、方向をこまめに変えてあげると、より早く充電されるようです。

これで、災害時でもPC、スマホ、ちょっとした家電は動かせることになりました。今のところ我が家はこれで十分ですが、最近のより高性能なポータブル電源を用意すれば、電子レンジやエアコンも動かせるでしょう。

又、これまでポータブル電源は満充電の状態で長期間放置していました。これはバッテリーの劣化を早めるのですが、災害への備えという目的上、仕方ないと割り切っていました。が、このソーラーパネルがあれば、仮に災害時にポータブル電源が空になっていたとしても問題ありません。現在はスマホやタブレットの充電のために日頃からポータブル電源を使い、定期的にソーラーパネルを使って充電しているので、バッテリーの劣化も抑えらえるんじゃないかと期待しています。

電気代の節約?

さて、こうなると、電気代の節約が可能かどうかも確かめたくなりました。

改めて調べてみたところ、我が家の電気使用量は200~380kWh/月でした。一方、Anker Powerhouseの容量は434Whです。毎日目一杯活用しては充電を繰り返すとして、一か月で

434Wh × 30日 / 1,000 = 約13kWh/月(金額にして300円程度でしょうか)

だけの電気を発電&蓄電できることになります。ただ、天候の問題もありますし、実際は良くてこの半分程度でしょう。ちなみに、現在の我が家の利用形態だと月に2,3度というのが実態なので、上記の数字の10分の1ということになります。
ソーラーパネルとポータブル電源の初期投資は約6万円。回収が始まるのは相当先になる訳で、節約にはならず、主たる目的は災害対策というのが結論ですね。ただし、我が家の場合はアウトドアで活用することも出てくるかもしれません。

10年程前の話になりますが、太陽光発電は家を建てる時にも検討したことがあります。ざっと計算すると10年回収という投資となり、私は悩むこともなく見送りました。技術革新もあるので一概に言えるものではありませんが、売電の条件はむしろ今よりも良かった頃の話です。
こんなことを書くと、「脱炭素は?」とお叱りを受けるかもしれませんが、太陽光発電がエコだとかクリーンだとかいった類のプロモーションに私は懐疑的です。ソーラーパネルは、作るにも廃棄するにも大きなエネルギーを必要とします。つまり、別の何かを燃やさなければなりません…。

まとめ

よく妻とも話すんですが、我々が生きている間に、南海トラフ地震が起きる可能性はそれなりにあるんじゃないかと思ってます。たとえ電気代の節約になっていなくても、備えあれば憂いなし、であります。

災害対策を考えた時、ソーラーパネルとポータブル電源の組み合わせは想像以上に満足のいくものでした。これだけコンパクトなソーラーパネルで、わずか半日でポータブル電源を満充電できるとは思いませんでした。現在、我が家ではバッテリー劣化防止も兼ねて定期的にソーラー発電しています。

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淡路島は雨が少なく、日照時間が長いですし、我が家の無駄に広い庭の有効活用にもつながったかな…などと考えております(笑)。