前回の続きです。システムトレードを実践しようと思うと、下記3項目をあらかじめ定義しなければなりません。逆に、いずれかを曖昧にするなら私の中ではシステムトレードではないということになります。

①仕掛けルール(「候補銘柄」を抽出)
②資金管理(「実際に仕掛ける銘柄」と投入資金を確定)
③手仕舞いルール(「実際に仕掛けた銘柄」の手仕舞い条件)

「候補銘柄」と「実際に仕掛ける銘柄」を区別しているのは、前回の記事の通りです。

投資初心者の典型的なトレード

おそらく、投資を始めて間もない方は、①に全力投球する傾向にあるのではないでしょうか?①には夢があります(笑)。そして「自分で選んだ銘柄で大儲けできるかもしれない」という欲望が「損をするかもしれない」という恐怖を上回った瞬間、②や③を考える前に行動を起こしてしまいます。

うまく利益が出れば同じことを繰り返し、逆に含み損が出るとその損を確定できずに塩漬けに…、投資家の大半が通る道でしょう。私にも経験があるので、その心理はよく分かります。含み損が出た時の③には何の夢もなく、①の夢が消える瞬間です。理屈では分かっていても、あらかじめ決めた通りに③を行動に移すのは①よりも難しいです。

しかし、ここまでならまだいいのです。最悪なのは②をおろそかにして大金をかけてしまい、③が行動できずに大きな損失を出して相場から撤退することです。じわじわ損失を出して資産の大半を失うという方はあまりいないと思いますが、一度のミスで立ち直れない程の大きな損失を出す方は意外と多いのです。

全ては相場で生き残るため

上の相場退場ケースの根本原因が資金管理にあることはお分かり頂けるかと思います。相場で生き残るために避けては通れないのが資金管理という課題なのです。

私自身、肝に銘じていますが、長期間、株式市場で生き残るのは意外と難しいんです。運さえ良ければ、株式市場で短期的に大きな利益を出すことは可能です。しかし、資金管理を怠ると、たった一度のミスで市場から撤退を宣告されるかもしれません。
私の場合、まず資金管理によって「限定されたリスク」という土台を作り、その上でリターンを考え始めます。結果としてリターンも限定されますが、私は受け入れています。全ては生き残るため、です。

システムトレードとは

繰り返しますが、私の中でシステムトレードとは、「①、②、③の全てをあらかじめ決め、その通りに売買すること」です。一度作ってしまうと、

いつ/何を/いくら仕掛け、どう手仕舞うか、全てが決まっており、実売買において自身の裁量を加える余地が全くありません。

難しいソフトやサービスを使う/使わないは関係ありません。例えばコバンザメ投資はソフトなど一切使わずに実践できますが、資金管理も含めて完全にルール化している私にとっては、今やシステムトレードの1つです。逆にソフトやサービスを使っていても、資金管理に配慮がなければ(私の中では)システムトレードではないということになります。

次回、私が実践している資金管理を紹介します。