個別株に手を出しても負けるだけだと考え、ひたすらインデックス投資(パッシブ運用)に終始していた私が、初めて本格的にアクティブ運用に興味を持ったのは、J-Coffeeの株式投資日記との出会いでした。

アクティブ運用を始めたキッカケ:コバンザメ投資

残念ながら随分前に更新停止となってしまいましたが、ここに掲載されているコバンザメ投資という戦略を知ることで、私は新しい世界の扉を開くことになります。今振り返っても、これは決して大げさな表現ではなく、インターネットの恩恵をこれ程感じたことはありません。「実際には会うことのできない人間の知に触れることができる」、これはインターネットの持つ最大の特長だと思います。生かさない手はありません。

具体的な方法は上記サイトに詳しく書かれているので、ここでは簡単な紹介にとどめます。
この戦略では、日経平均やTOPIXといった市場平均に新たに採用される銘柄に注目します。例えばTOPIX、これは東証1部全銘柄の平均(浮動株調整後の時価総額ベース)を表す指数です。そして、日本取引所のページには、新たに東証1部に指定された銘柄が普通に公開されています。随時、これだけの銘柄が東証1部に仲間入りしているという訳です。

インデックス投資の対象でもあるTOPIX連動ファンドは、その名の通りパフォーマンスがTOPIXに連動します。逆に、このファンドの運用者は、ファンドのパフォーマンスをTOPIXに連動させる義務があるとも言えます。TOPIXに完全に連動させる、これは東証1部に上場している全銘柄を保有することに他なりません。ということは、ある銘柄が東証1部に新規に仲間入りした場合、この運用者は何があろうとこの新規銘柄を買わねばならないのです。
しかも、購入するタイミングまで明確に分かります。引値保証取引という仕組みが影響するのですが、特定の日の市場終了直前に一気に買われるという現象が生まれます。

コバンザメ投資とは、この「買わねばならない人」の先回りをすることで利益を出す、という非常に効率的な投資戦略だったのです。詳細は、上に紹介したJ-Coffeeの株式投資日記か、同氏が書かれた下の本に詳しいです。

随分古い本で、当時とは制度も変わっており、残念ながらここに書かれている内容をそのまま現在に適用することはできません。ただし、コバンザメ投資に必要なエッセンスとも言うべき内容が読みやすくまとまっているのはもちろんですが、私はこの本から

  • 制度をきちんと調査し、
  • 仮説となる投資戦略を立て、
  • 株式市場での実際の値動きを検証する

というアクティブ運用に必須となる研究姿勢も学びました。もし機会があれば手に取ってみることを強力にオススメします。J-Coffeeさんには是非一度お目にかかって話がしてみたい、今でもそう願っていますが、なかなか難しそうです。
そして、もしこういった研究が面倒だと感じたら、アクティブ運用には手を出さず、パッシブ運用に徹した方がいいかもしれません。アクティブ運用で勝ち続けることは、想像以上に難しいのです…。

株価を決めるもう1つの要因:需給

以前、株価の分析手法としてファンダメンタル分析やテクニカル分析を紹介しました。しかし、これらは過去を分析するツールにはなり得ますが、未来の分析には使いにくい、と私は考えています。
一方、コバンザメ投資では需給、つまり買い手と売り手のバランスに注目します。

未来の需給を予測できる局面にのみターゲットを絞り、戦略をたてる

訳です。これなら勝てる可能性が随分高くなるのではないでしょうか。

実際、コバンザメ投資は、一時期非常に強力でした。現在は東証がルールを変更したり、コバンザメ投資自体がメジャーになって同じことを考える競争相手が増えたために、難易度が上がっています。しかし、それでも指数の特徴を理解し、売買する銘柄やタイミングを絞りこめば、まだまだ有効です。

ちなみに、明日4/28の引けに、引値保証取引による特殊需要があります。実際、私は自身のルールに基づき、最近まで

  • 3232三重交通グループホールディングス
  • 3455ヘルスケア&メディカル投資法人
  • 6098リクルートホールディングス
  • 6432竹内製作所
  • 7408ジャムコ
  • 8708藍澤證券

を売買していました。7408は残念ながら損失を出してしまいましたが、それ以外は利益を出すことができました。既に全数手仕舞い済ですが、明日の値動きには引き続き注目しています。
(※結果はこちら

J-Coffeeさんのホームページや本以外で、私が自分自身の売買ルールを作成する際に読んだ本は、

です。少々数式が入っていますが、これを読むと日経平均とTOPIXのどちらが指数として優れているかが分かりますし、コバンザメ投資の難易度が上がった今、同投資で利益を上げるために必要となる指数に関する基礎知識が一通り書かれているので、一読をおすすめします。

初心者にもできるアクティブ運用:予測可能な需給の歪みを見つける

私が実践しているアクティブ運用の基本戦略は、全てここに集約されます。現在はコバンザメ投資以外にも、株主優待、立会外分売、公募増資等で発生する需給の歪みに注目し、自身の投資戦略を作っています。
最近はイベント投資と呼ぶらしく、この分野では夕凪さんが有名です。様々な研究結果を丁寧に記述、公開されているので参考にされるとよいでしょう。又、私は選抜株式レースに出場し、毎週銘柄選択してパフォーマンスを競争しています。実際にトレードしているコバンザメ投資関連銘柄を選ぶことも多いので、そちらも具体的な銘柄例として参考にして頂ければと思います。

コバンザメ投資以外に、私はシステムトレードも実践していますが、こちらはまた別の機会に紹介させて頂きます。