暴落時に私が買い付けた銘柄のうち、最後の1銘柄が明日手仕舞いとなる予定で、私個人のポジションとしては今回の暴落もようやく終了ということになりました。このタイミングで、歴史的と言ってもいい今回の暴落を振り返ってみたいと思います。

まず、私個人の成績ですが、損失が出ています。正確な数字は月末に計算しますが、おそらく3~5%程度でしょうか。この数字をどう見るか、人それぞれだと思いますが、私としてはかなり残念な結果となってしまいました。個人的には大きなチャンスだと考えていたので…。
いつだったか、このブログでも書いたことがあるのですが、私は自分のやっていることを市場のミスプライスを訂正するサービス業だと考えています。今回、あれだけのミスプライスが発生した中、利益につなげられなかったことは真摯に反省しなければなりません。まだまだ実力不足ということであります。

今回の暴落がこれまでにない性質を持っていたことは事実です。それは「反発が弱く、角度が急であったこと」なのですが、こういった新たな値動きにさらされた私のトレードシステムには機能したこと、機能しなかったこと、両方が見受けられました。

暴落相場についていくという点では、いつも通りというか、うまく機能してくれたと思います。私は、暴落と判断した時に一気にポジションを作り、含み損に耐えつつ、反発した銘柄を手仕舞いながら、随時銘柄を入れ替えていきます。私の株式レースの成績をご覧になられている方は、私が見ている値動きを何となくご理解頂けたのではないでしょうか。

一方の反発局面においては、改良の余地があると感じました。誤解を恐れずに一言にまとめると、手仕舞いのタイミングが早かったとなるでしょうか。明日最後の1銘柄を手仕舞うことになるでしょうが、大半の銘柄はかなり前に手仕舞いしており、その後少しずつ手仕舞いを繰り返してきたというのが実態です。「下落が深ければ深い程、反発の際の上昇は大きくなる」、分かってはいるものの、現在のトレードシステムにはまだまだ改良の余地があると感じた次第です。少しだけ書くとすれば、例えば「手仕舞いのタイミングを直近のボラティリティに応じてコントロールする」といった工夫を加えるだけでも、随分状況は変わるんじゃないか…などと考えています。

時間に余裕ができたら、こういった改良に実際に着手するつもりですが、読者の中にはシステムトレードに取り組まれている方もおられるかもしれないので、1点だけコメントさせて頂きます。
トレードシステムを最適化する際、慎重にカーブフィッティングといういわば”偶然”を排除し、再現性を作り出すための工夫を重ねることが重要なのは言うまでもありません。しかし一方で、神様でもない限り、一定の割合で偶然が入り込んでしまうことは避けられないと私は考えています。もし「完璧なシステムがここにあります」と言う方がいたら、私はその方の仰ることをまず信用しないでしょう。
偶然を排除するのに必要なのは、難しい数学でも新たなソフトウェア技術でもなく、定性的なちょっとした”気付き”です。そうした”気付き”を得るには様々なタイミングがありますが、今回のような新たな値動きはその1つといっていいでしょう。そして、新たな”気付き”を踏まえてシステムを改良する際、くれぐれも配慮すべきは、

  • 長期的にそういった偶然を排除し、システムの再現性を高める

というアプローチをとることです。逆に

  • 直近の相場にフォーカスし、システムを再調整する

というアプローチは絶対にオススメできません。システムの信頼性が損なわれ、長期的な再現性が逆に失われるという結果につながりやすく、要注意であります。