「自動売買はやらないの?」という質問をよく受けます。
ちなみに、私が実践しているのは「システムトレード」であって「自動売買」ではありません。プログラムの助けも借りて、

  • 銘柄
  • 数量
  • 仕掛けのタイミング
  • 手見舞いのタイミング

の全てをシステム化し、裁量を加える余地は一切ありませんが、注文はコンピューターではなく自分自身で入れています。

結論からいえば、私は自動売買に取り組むつもりは今のところありません。
注文までシステム化すれば勝手にトレードが行われ、これで利益が積み上がっていけば、確かに夢のような仕組みなのかもしれませんが…。
技術的な問題ではありません。作ろうと思えば作れる気がします。

私にとって最大の問題は、自動売買によって「改良につながる気づきが得られなくなる」ことです。
おそらく、誰であっても最初から完璧なシステムを作ることはまず不可能なのではないでしょうか。当初万全を期して開発したシステムであっても、後から振り返ってみると決して完成度は高くなかったりします。
私自身、実際にトレードを重ねながら、改良を加えて今のシステムができあがっています。これからも「実践→改良」の繰り返しは続くでしょう。

自分で仕掛け注文を入れる時、そして手仕舞い注文を入れて結果を確認する時に、

  • こんな銘柄をトレードするって想定と違うんじゃないか…
  • 思ったより資金が遊んでいて効率が悪いな…
  • もっと分散して安定性を/もっと集中して利回りを…
  • もっと効率のいいタイミングがあるんじゃないか…

といった気づきが得られることがあります。で、実際に検証してみて、「やはり今のままがいい」となったり「これは改良した方がいい」となったりします。時に、非常に有効な改良方法にたどり着くことだってあります。
いくらシステムトレードといっても、自分の手と頭を働かせることは大事だと思うのです。

完璧なシステムができたという確信が持てるまで、私は注文を自分で入れるでしょうし、その結果を自分で確認し続けるでしょう。又、プログラムにバグはつきものですし、証券会社の突然の仕様変更に気づかない可能性も考えられます。それで誤発注して大きな損失を出す、というリスクも私は受け入れがたいです。