東京の会社を辞めて独立し、淡路島に移住してからもうすぐ2年半になります。当初は観光気分もありましたが、今では私にとって淡路島は生活拠点以外のなにものでもありません。そして、田舎移住生活に随分慣れてきたとはいえ、東京でのサラリーマン生活と比べると、やはり大きな変化だと思います。
今回と次回の2回に分け、生活拠点として見た場合の東京と淡路島の違いを、自分にとってのメリット/デメリットという形でまとめてみたいと思います。まずはメリットから。

生活コスト(固定費)の低下

「田舎の物価は高い、生活コストは上がるくらいだ」という方もおられるようですが、我が家の場合は下がりました。どうして上がるのか、分からないくらいです。イオン等の全国チェーン、地元スーパー、そしてAmazon等の使い分けには気を配っていますが…。

以前、「田舎暮らしとお金の話」としてまとめたことがありますが、淡路島は水道代が高いので水回りのコストは上がりましたが、それ以外は全て下がっています。光熱費、食費、そして住宅費。この2年間の実績でいうと、住宅費を除いて月10万円ちょっとあれば、夫婦2人が普通に暮らせそうです(社会保険料等全て含む)。

ちなみに、私はこの約10万円/月という固定費を、投資以外の収入でカバーすることを短期の目標にしています。今のところ投資収入は安定していますが、マーケットリスクを収入に変えている以上、どこかで不安が残ります。
規模は小さくとも質的に別の収入を作り出し、固定費をカバーすることができれば、「安定収入で固定費をカバーし、余剰資金で投資をしている」という会社員時代の家計に戻すことができます。中長期の目標は別にあったりするのですが、今は種まきに終始し、本格的に取り組むのは土台を作った後にしようかと。ビジネスは決して甘くありません。会社員時代に嫌というほど学びました。

田舎移住による固定費の低下は、それだけ短期目標のハードルが下がることを意味し、私にとって非常にありがたい環境と言えます。

食を含めた住環境の向上

ではコストが下がった分、質も下がったかというと、そんなことはありません。デメリットに感じることもありますが(次回まとめます)、私にとってはメリットの方が大きいです。

朝起きて窓から見る風景、そして近所をドライブする時の風景、日常生活に山や海が普通にあるというのは、それだけで癒されます。東京に住んでいた時、私はよくアウトドアに出かけていましたが、今では毎日がアウトドアみたいなものです。又、去年紹介したウミホタルのような貴重な自然に触れた時など、もうアウトドアの域を超えて大自然のリゾートにでもいるんじゃないかと感じることもあります。
そして、肉、魚、野菜、何を食べてもクオリティが高く、お金をかけなくても豊かな食生活を送ることができます。今ではもう当たり前になってしまいましたが、移住当初は我が家の食卓にイチイチ感動してました。

田舎暮らしと聞いてまずイメージすることだとは思いますが、実際にやってみると、何というか、寿命が延びた気がします(笑)。

活躍する自営業者との出会い

移住前は想像もできませんでしたが、島内で活躍している自営業者とのご縁に恵まれ、会社員時代とはまた違ったポジティブな刺激をもらっています。島内出身の方、島外からの移住者、実に様々な方がいますが、手に職をつけ、知恵を出し、自らのリスクでビジネスに向き合っている点は共通しています。業態は農業、飲食店が多いでしょうか。

大企業の雇用にお世話になっていた頃は、当たり前のように毎月口座残高が勝手に増えていきました。が、会社を退職した今、労働に対する対価はゼロです。どれだけ働いても、結果が出なければ収入はありません。「自分自身のビジネスを築くとはこういうことか」とまず思い知ります(笑)。

「ハングリー精神に火をつけ、サラリーマン根性を消す」、分かっていてもそう簡単なことではありません。そんな中で島内の自営業者の活躍に触れることは、自分にとってとても良い刺激になりました。都会では大半が会社員。東京に住み続けていたら、精神的な部分でまた今とは違った状態にあるんじゃないか…と思うのです。
給料というのは、中毒性があるという意味でまさに麻薬です。体から麻薬を抜くには、周りの人のサポートがあると早いのかもしれません。

P.S.
今日驚くべきニュースがありました。スナック菓子カールが東日本で販売終了なのだそうです。淡路島では今後もカールが食べられるようで、ホッとしました(笑)。移住のメリット、一つ追加ですね。