税理士に頼らずに自力で法人税確定申告書を作成

ここ数日、法人税(及び道府県民税、市町村民税)の申告書作りに時間をとられていたのですが、ようやく落ち着きました。
(個人の)所得税の場合、国税庁の確定申告書等作成コーナーというWebサービスがあり、画面のガイドに従って入力していけば比較的簡単に申告書類ができあがりますが、法人税にはこういったサービスがありません。作成書類も多く、1つ1つ書類の意味を理解しながら作っていく訳ですが、これがなかなか大変でした。

当初、法人税についてほぼ知識ゼロだった私は、「会計ソフトでBS(貸借対照表)とPL(損益計算書)を作り、税率をかければいいんでしょ」くらいに考えていました。どうやら膨大な書類提出が必要らしいが、そこに何の意味があるのか、さっぱり理解できなかったのです。今となっては、「うまくできてるな」と思うところも、逆に「ここまで複雑にしなくてもいいのでは」と思うところもありますが、まずは理解するまでの道のりが長かったです。

税理士に頼ることなく、私が実際にどのようにして法人税申告書を作成したか、その方法をご紹介します。

提出書類

最終的にこれだけの書類を作成、提出しました。ちなみに、私の会社はこれで済んでいますが、固定資産や棚卸資産(在庫)を抱えれば、さらに提出資料は増えます。
たくさんありますが、赤字にした資料、つまり法人税法上のPLとBSを作成するのが肝です。会計上のPLやBSとは違う、というのがポイントです。他の書類は、その差分を説明する補足資料だったり、要約資料だったり…と考えておけば、まず大きな間違いはないでしょう。

確定申告書
(税務署向け)
別表1(1) 全ての別表の表紙、最終確定値を記入
別表1(1)次葉 法人税額算出の計算式
別表2 同族会社判定の明細書
別表4 法人税法上のPL(会計上のPLとは大きく異なる)
別表5(1) 法人税法上のBS
別表5(2) 法人税等の納付状況に関する明細書
別表6(1) 所得税額控除に関する明細書
別表6(1)付表 上記控除額算出の計算式
別表7(1) 欠損金繰越に関する明細書
別表8(1) 受取配当等の益金不算入に関する明細書
別表15 交際費等の損金参入に関する明細書
決算書
(会計ソフト作成)
貸借対照表 会計上のBS
損益計算書 会計上のPL
株主資本等変動計算書 資本金、利益剰余金の変動に関する明細
個別注記表 個別の注記事項
勘定科目内訳書 預貯金等の内訳書 預貯金の期末残高とその内訳
売掛金(未収入金)の内訳書 売掛金の期末残高とその内訳
有価証券の内訳書 有価証券の期末残高(時価)とその内訳
買掛金(未払金、未払費用)の内訳書 買掛金の期末残高とその内訳
仮受金(前受金、預り金)の内訳書 仮受金の期末残高とその内訳
役員報酬手当等及び人件費の内訳書 役員報酬の内訳
雑益、雑損失等の内訳書 雑益、雑損失の内訳(10万円以上のもの)
事業概況説明書 法人事業概況説明書 事業概況を要約
確定申告書
(都道府県向け)
第6号様式 道府県民税、事業税等の明細書
第6号様式別表9 欠損金繰越に関する明細書(国税別表7(1)と値が異なる)
確定申告書
(市町村向け)
第20号様式 市民税の明細書

法人税初心者におすすめ:MFクラウド会計+全力法人税

弥生、MFクラウド会計、freeeといった有名どころの会計ソフトは、確定申告書までは作成してくれません。信頼できる友人(独立や法人設立の大先輩でもあります)からの勧めもあって、私は日頃の会計帳簿にはMFクラウド会計という会計ソフトを利用しています。実際使い勝手が良く、今や手放せないツールとなりましたが、上記書類の中でMFクラウド会計が作成してくれるのは決算書のみです(青い部分)。一部、勘定科目内訳書を作成してくれるソフトはあるようですが、後述する通りこれは何とでもなります。問題は、確定申告書とも呼ばれる大量の別表です。

自力で各資料の意味を理解しつつ、1つ1つ項目を正確に埋めていこうとすれば、時間がかかり過ぎますし、税務署に何度も通うことにもなりかねません。そもそも法人税の仕組みにいくら詳しくなったところで、売上は1円も増えませんし…(笑)。
しかし、責任は果たさねばなりません。何かいい手はないかとネットを検索していると、全力法人税というクラウドサービスを見つけました。中小企業の法人税申告書作成に特化したサービスで、MFクラウド会計に入力済の仕訳データとも連携でき、

  • 確定申告書別表の一部
  • 勘定科目内訳書
  • 事業概況説明書

無料で作成できるとあったので、試しに使ってみることにしました。そして、

全力法人税で作成した各資料を見ながら、分からないことをネットで調べる

ひたすらこれを繰り返すことで、私は法人税確定申告への理解を深めていきました。ただし、肝となる別表4や別表5(1)は有料です。使い勝手に満足したのと、初年度17,820円(2年目以降10,000円)という価格は法人税の授業料と考えれば格安です。私は実際にお金を支払い、別表4や5も同じ方法で作成することにしました。

全力法人税は割り切った作りをしていて、「所得税額控除」や「受取配当等の益金不算入」には対応しておらず(※翌年確認すると機能が追加されていました)、最終的に一部税務署の方に教えてもらいながら資料を完成させました。
それでも、大抵の書類は全力法人税が作ったものをそのまま利用できましたし、何よりあらかじめ数字が入った資料をベースに効率よく勉強できたのはありがたかったです。こちらからの問い合わせにも真摯に対応頂きましたし、私は信頼できる印象を持っています。

2年目以降は、時間に余裕があって節約したいと思えば自力でやるのもいいでしょう。一方、法人の活動が複雑化していたり、時間を節約すべきだと思えばまた活用すればいいのです。法人税初心者の方には割とオススメできる方法じゃないかと思っています。
ご参考までに、会計及び法人税関連のクラウドサービスの利用料をまとめておきます(最終メンテ:2018/8)。

月額プラン(税抜) 年額プラン(税抜)
会計 弥生会計オンライン:セルフプラン 26,000円/年
MFクラウド会計:ライトプラン 1,980円/月 21,780円/年
Freee:ミニマム 2,380円/月 23,760円/年
法人税 全力法人税 17,820円/年
10,000円/年(2年目以降)
※一部は無料で利用可

次回、法人税申告書類を作成する上で、あらかじめ知っておいた方がいいと思われるポイントをまとめてみたいと思います。