これから何回かに分けて、システムトレードの記事を書いてみたいと思います。
システムトレードとは何か、その定義は人によって微妙に違うかもしれません。私なりの定義をいきなり書いても理解しづらいでしょうから、私が現在の考え方に至った道のりを紹介することから始めたいと思います。

初心者の頃はシステムトレードに懐疑的だった

システムトレードとか自動売買とか、ネットで検索するといろんな商材が出てきますが、私はずっと懐疑的な目で見ていました。その理由は

  • 過去どれだけ優れた実績を出すシステムでも、未来もそれが続くとは限らない

からです。もっと言えば、理系出身の私は、

  • 過去の株価に合わせて良好な成績を上げるシステムを作るのは決して難しくない

とも思っていました。小難しい話になりますが、フーリエ変換という数学がありまして、どんな曲線でもsin(サイン)とcos(コサイン)の組み合わせに分解できる、つまり関数として表現できてしまいます。過去に最適化したルールは未来の相場では機能せず、儲かるのは業者だけだろうと考えていた訳です。ちなみに、私も後々知ることになりますが、過去の相場に過剰に最適化することをカーブフィッティングといい、システムトレードでは絶対に避けなければいけません。

システムトレード初心者におすすめの本

しかし、コバンザメ投資に出会い、そこから需給に注目して少しずつ投資手法の幅を広げていた頃、友人がシステムトレードのシグナル配信ビジネスを始めました。この友人を私は信用していたので、勉強も兼ねて登録してみたのです。毎日売買シグナルのメールが配信されてきて、私はそれを元に注文を入れる、ひたすらシステマティックに売買を繰り返しました。これが、私がシステムトレードを始めたキッカケです。

と同時に、せっかくなのでシステムトレードを勉強してみようと、本を買ってきました。初心者向けの書籍で、非常にシンプルなルールが紹介されています。又、高価なソフトを買わなくても証券会社の無料ツールを利用して実践する方法も書かれており、とても良心的です。

ただし、この本だけでは安定的な利益は望めないと思います。私は自力で研究しましたが、資金管理にも言及した続編の内容もご存知であった方がいいでしょう。

余談ですが、この書籍の著者、斉藤正章さんは今では大変有名になられました。システムトレードに本格的に興味を持つようになった私は、何度かセミナーに足を運んだこともありますが、”目からウロコ”の有意義な話ばかりで、多くのことを勉強させてもらいました。システムトレードという分野で私が最も信頼している方です。

株価の規則的な動き

さて、友人のシステムも書籍のシステムもシンプルな逆張りシステムで、今振り返ると完成度は高くなかったと思いますが、当時の私には十分示唆に富むものでした。そして、2つのツールを使いながら実際の相場と向き合ったことで、私は大きく前進することになります。

  • 何だ、この規則的な株価の動きは!?

そう思ったのは、暴落相場が一段落ついたある日の夜でした。
次回に続きます。