私自身全く予想していなかったというか、正直最後は残留するだろうと思っていたくらいですが、英国国民投票の結果はEU離脱となりました。私は普段日中の株価の動きをリアルタイムで見ることはほぼないのですが、この日は一切他の仕事に手をつけず、投票結果と日本の株式市場の動きをずっと見ていました。参考までに日経平均株価の動きを掲載しておきます。

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前日比約1,286円のマイナス、これは歴代7位の下げ幅なのだそうです。先物市場ではサーキットブレーカーが発動され、一時取引停止となりました。東証の売買代金は約3.3兆円。最近別の投稿でも書いた通り、日本の株式市場は流動性がなくなってしまっており、他の海外市場に比べても値動きが荒いです。

リーマンショックと比較する記事が散見されますが、起きていることは全く違います。リーマンショックは米国のサブプライムローンの毀損が、思いっきりレバレッジのかかった証券化商品により増幅され、世界的な金融システムの危機を引き起こしました。一方、今回は英国及びEUの政治システムの危機であり、今後英国やEUが政治的求心力を失うことの影響をマーケットは予想し、織り込んでいくことになるでしょう。少なくとも根本的な要因は全く異なり、そういった意味ではリーマンショックの再来では決してありません。
私はそもそも共通通貨ユーロの根本的問題を未だに解決できないあの地域に近づくつもりがないので、欧州の情報は普段あまり追いかけていません。が、純粋に経済的な枠組みとして捉えると、今後の成行次第ではそれ程大きな変化につながらない可能性も十分あると考えています。メディアは関税どうこうと騒ぎ立てますが、英国がEU各国と個別に貿易協定を結んだっていい訳ですしね。むしろ当面注目すべきは、政治的混乱がどこまで波及するか(結果として経済にも影響が出てくるでしょう)ではないでしょうか。

そして、このネガティブなニュースにポンドもユーロも反応して急落。G7は協調して通貨安への対応に迫られています。一方、輸出大国でもない日本では、メディアが通貨高を不安視しています。どちらか一方は確実に間違っている訳で、これを機会によくお考え頂ければと思います。

アベノミクスもいよいよ化けの皮がはがれてきたのではないでしょうか?
一時的に株高/円安などともてはやされていましたが、大分元に戻ってきました。この間起きたことと言えば、

  • 市場から流動性が奪われ、
  • 年金資金は大きな含み損を抱え、
  • 中央銀行のバランスシートは大きく膨らみ、
  • 輸出は増えず、
  • 国内消費は低迷

消費増税延期は正しかったなどと喜んでいる場合ではありません。
これだけ日本経済は壊れてしまったのですから。