今回の北海道旅行、大した計画はありませんでしたが、漠然と夏休みが始まる前には帰ろうと考えていました。比較的観光客が少ない時期に旅を楽しみ、夏休みシーズンになったら逆に家に戻って仕事しようという訳です。

この旅行中、すごく新鮮だったことがあります。6月から7月初旬という時期だと、会社員や学生に会うことはほとんどなく、旅先で出会うのは(外国人観光客を除くと)大半がシニアの方々だったんですが、これが皆さんものすごく元気なんですよ。

  • キャンピングカーやワゴン車でキャンプしながら北海道を周遊されているご夫婦
  • 夏になると釧路に部屋を借りて長期滞在し、北海道の美しい写真を撮るのを趣味にしている一人旅の男性
  • 釧路湿原のトレッキングガイドをしている現役バリバリの80歳を超えた女性

しかも、旅や自然を愛している方々で、コミュニケーションもうまく、話していてとても楽しかったです。自分がシニアになった時に同じことができるか、というと正直自信がありませんが、いい歳のとり方をすればこんな素敵な時間があるんだ、ととても新鮮な気持ちになりました。

と同時に、42歳という年齢にしてこういった旅を楽しめるのは、本当にありがたいことなのだと思います。私も以前は「定年退職したら…」とか思っていましたが、自分がその年齢まで健康でいるか/生きているか、なんて分かりません。もしかしたら、私がこの旅で出会った元気なシニアたちは、すごく恵まれたごく一部の人間なのかもしれない。

私は会社員時代、尊敬するマネージャーから飲み会の席でこんなことを言われたことがあります。

  • 50歳を超えると、早い人は死に始める。やりたいことがあるなら、時間を無駄にせず、すぐに始めた方がいい。

この言葉だけで独立を決意した訳ではありませんが、アップル創業者スティーブ・ジョブズ氏の有名なスピーチの中にも、こんな言葉が出てきます。

  • 自分はまもなく死ぬという認識が、重大な決断を下すときに一番役立つ

人間にとって本当の資産とは、お金ではなく、時間なのではないでしょうか?
お金をたくさん使うかどうかより、自分の限りある時間を(会社や誰か他の人のためでなく)自分のために使えるということの方が、ずっと贅沢なのだと改めて感じた旅になりました。

写真:摩周ブルー
摩周ブルー