独立資金の話を不動産から始めたいと思います。

移住後の住居をどうするか、いろんな選択肢があります。又、移住前であっても資産運用という点で、持家と賃貸はどちらが有利なのでしょうか。移住するしないに関わらず、持家か賃貸かという議論は昔からありますが、これは比較的簡単に説明できます。

どこかおかしい「持家の方が得」という理屈

持家の場合、住宅ローンを組み、長い年月をかけて返済していくことが多いので、以下のような話をよく耳にします。

  • 持家の場合は、住宅ローンの返済が終われば、持家という資産が手に入る。一方、賃貸の場合は、賃料をどれだけ払っても、その物件が手に入ることはない。よって、持家が得である。

とても耳障りがいいですが、どこかおかしいと思いませんか?
住宅ローンの月々の返済料は、返済期間や頭金の額によって変わってきます。少し話を具体的にしてみましょう。

住宅ローンの返済料と賃料を比べても意味がない

返済期間を長くすれば、月々の返済料は安くなります。賃料より安くなることもあるでしょう。

  • 返済期間を長くすれば、返済料が賃料より安く済むので、さらにお得

でしょうか?返済期間を長くすれば金利負担は大きくなりますよね…

頭金の額を多くしても、月々の返済料は安くなります。極端な話、お金持ちがキャッシュで持家を購入した場合、月々の返済料は0円です

  • 持家をキャッシュで買えば、返済料も賃料も払わず、持家も入手できて、ものすごくお得

でしょうか?やっぱり変ですよね…

残念ながら、世の中そんなに甘くはありません。持家さえ持てば有利な資産運用ができる訳ではないのです。
「持家だと資産が手に入るから得」と話すのは、持家を売ろうとしている側の人間(営業マン等)であることが多いです。

お分かりですね。営業トークとしては強力ですが、フェアな比較になっていません。分かっていて悪意をもって話す営業マンもいるでしょうが、本当に分かっていない営業マンもいるようです。いずれにしろ、この営業トークを真に受けてはなりません。

住宅ローンの返済料と賃料を同列に並べて比べるから話がおかしくなるのです。この2つは全く別の支出です。では、どのように比べたらいいのか?
次回に続きます。