東芝のニュース、世間を騒がせていますね。何だかなあ~と思うところも多いので、少しコメントしてみたいと思います。

まず、マスコミの表現はなぜか揃って、「不適切会計」、「利益水増し」という言葉になっていますが、これ、「粉飾決算」ですから。ライブドアショックの時は「粉飾決算」の連呼でしたが、マスコミにとって大スポンサー様の不祥事となると、表現には気を使う必要があるのでしょう(笑)。

過去の主な粉飾決算企業を思いつく範囲で並べてみました。

企業名 金額 その後
日本長期信用銀行 3100億 経営陣逮捕、国有化&売却(新生銀行)
カネボウ 2100億 経営陣逮捕、上場廃止&解散
ライブドア 50億 経営陣逮捕、上場廃止&解散
オリンパス 1100億 経営陣逮捕、上場維持
東芝 2000億?

金額も買いておきましたが、粉飾も利益の水増しだったり、純資産の水増しだったり、いろいろなので、これだけで精緻な比較にはなりません。ただ、規模感はお分かり頂けるかと思います。

東芝の粉飾決算の規模は決して小さくありませんし、どうやら組織ぐるみでのようで悪質度も高い。しかし、です。上場維持するかのようなニュースが流れています。本気ですか???
しかも、これ、東芝だけでなく、粉飾決算を見抜けなかった東証と監査法人も責任をとるべき話です(そうでなければ、何のために存在しているのでしょう)。その東証の関係者が、東芝を上場維持させようとしている訳です。モラルハザードも甚だしいと思いますが、東芝のような大企業の政治力、原発推進という現政権の姿勢を考えると通っちゃうのかもしれません。

東電の時も思いましたが、日本の株式市場は、こんな理屈に合わない、経済論理を超えた予想もできない政治に強く影響される市場ということです。政治的な思惑から、年金資金で株価だけつり上げていることも含め、良質な投資家を日本から遠ざける悪手です。投資家は自身でコントロールできないリスクを嫌うのです。
事実、日経平均株価は上がっても、出来高は増えていません。残念ながら、日本市場の流動性(活気)は失われているのです…。

日本株でファンダメンタル投資をするのは割に合わない、別のアプローチをとる必要があると考える私の気持ち、少しお分かり頂けるのではないでしょうか?ファンダメンタル投資に興味をお持ちならば、米国株をお勧めします。

市場とは、いろんな思惑をもった買い手/売り手が集まって、切磋琢磨しながら円滑にフェアに取引ができる、という所に価値があります。これは資本市場だけでなく、近所のスーパー/コンビニであっても、旅先で遊びに行く市場であっても、同じことです。
いろんなものが売られていて、地元住民、観光客、何ならスリまで(笑)集まってくる活気ある市場って、それだけで魅力的ですよね?逆に、国に統制され、意味の分からない理屈がまかり通る市場には、売り手も買い手も集まりません。

大きな権力が思惑を持って入ってきたら参加者は減り、長期的に市場の魅力は失われるのです。まして、価格だけ上げれば景気回復、なんてする訳ない。

東芝問題に妙な政治を持ち込むと、ますます日本市場の魅力が失われていくでしょう。当たり前に処理して頂きたいと切に願っています。

最後にもう1つだけ。
今回のような粉飾、やっているのは東芝だけでしょうかね。
私はどこまで飛び火するだろうか、という視点でこのニュースを見ています。最悪、日本の株式市場の信用問題へと発展する可能性も否定できないと私は思いますが、いかがでしょうか。
そして、仮にそうなった場合でも、我々の年金資金は継続して買い向かうのでしょうか。