先日、改正法人税法等の説明会がありまして、駆け出しの会社経営者として参加して参りました。
場所は淡路市立しづかホールです。

しづかホール外観

「淡路島トップクラスの音楽ホール」とのことですが、いかにも維持費のかかりそうな外観で、“バブル期に調子のっちゃいました”的なオーラを感じるのは私だけでしょうか…。
淡路島に住み始めてもうすぐ2年になりますが、このホールに音楽を聞きに行くという方にお目にかかったことは皆無ですし、私自身今回が初訪問です。しかも、その内容が税金の説明会って(笑)。
内部もまた立派な設備ですが、ここで音楽を楽しむ人がいて最低でも維持費をペイできなければ、やたらと金のかかるオブジェに過ぎません。一体、年間いくつ興業を誘致し、何人来場者を見込み、維持費をペイしようとしたのか、という話ですね。

しづかホール内観

ほとんど空席のまま、法人税と消費税の改正内容に関する説明会が始まりました。私に影響のある話はごく一部でしたが、日本という壮大なインフラの上でビジネスをさせて頂く以上、決められたルールに従って税金を納めるのは当然のことだと思います。が、説明の冒頭で「今回の改正の主旨は経済好循環地方創生です」と仰った時には正直「はぁ?」と言いたくなりました。

消費増税によって日本経済のエンジンである最終需要に冷や水を浴びせ、経済の循環を止めておきながら、経済好循環って。確信犯なら本当にいい度胸してると思いますが、本当に分かってないのなら一刻も早くご退場頂きたいものです。

又、地方に移住して改めてよく分かりましたが、政府の地方創生で潤うのは、自治体がばらまく補助金に群がる業者だけです。その典型例は、ハコモノを作る建設会社、地方商材をプロモーションする広告会社、そしてコンサルタントを名乗る補助金ゲッター…。皆さん、金を使うことしか頭になく、金を稼ぐことからは目をそむけ、地方に不相応な規模の建物を残したり、ビジネスモデルを並走させることなく単発のプロモーションを行う。地方には何も残らないか、赤字を垂れ流す建築が残り、維持に四苦八苦。そして、さらに補助金にすがる。

地方を食い物にしているタカリが儲かっているだけで、地方には弊害の方が大きいです。何より最悪なのは、こういった競争環境の歪み(苦労してビジネスを立ち上げるより補助金にタカった方が早い)によって、実力のあるビジネスマンやパッションのある若者が地方から遠ざかってしまうことです。私のような中途半端なビジネスマンの移住がせいぜいでしょう(笑)。

地方創生が経済活性化も意味するなら、ビジネス(お金を稼ぐこと)に向き合わねばなりません。そして断言しますが、ビジネスの成功は「金」で決まる訳ではなく、「人」で決まります。実力のあるビジネスマンに地方に興味を持たせ、パッションある地方在住者とリスクをとって「身の丈にあった」ビジネスに取り組み、成功したら金は山分け(税金は「もらう」のではなく「払う」)、失敗したらちゃんとつぶれる、という当たり前の新陳代謝が補助金のせいで起きなくなってしまっているのです。

一地方移住者の意見ですが、政府の地方創生は一刻も早くやめないと、地方はどんどん疲弊していくと思います。