7/12に日経平均株価の構成銘柄入替発表がありました。6753シャープは東証二部指定替えを契機に日経平均の構成銘柄からも除外され、代わりに7272ヤマハ発動機が採用されます。

さて、日経平均の銘柄入替は、以前紹介したコバンザメ投資のチャンスです。
8/1の算出から変更されるので、前営業日の7/29にパッシブファンドによる引値保証取引の影響が出るでしょう。具体的には7/29の大引けで6753シャープ売り、7272ヤマハ発動機買いの注文が入ることになります。素直に考えれば、このタイミングで6753シャープの株価は下落し、7272ヤマハ発動機の株価は上昇する可能性が高く、その先回りをしましょうというのがコバンザメ投資です。しかし、コバンザメ投資家による先回りが過剰に入れば逆に動く可能性も出てきます。

日経平均は指数の計算が単純なので(その分欠陥の大きい指数です)、TOPIXに比べると分析がしやすいです。いつもはTOPIXリバランスの結果報告のみですが、今回はこの日経平均入替を例題として簡単な分析を紹介してみたいと思います。

銘柄発表日
終値①
みなし
額面②
組入株価③
=①*50/②
発表日
日経平均④
除数⑤ウェート⑥
=③/(④*⑤)
リバランス日
終値⑦
上昇率
=⑦/①
7272ヤマハ発動機1,535501,53516,095.6525.4950.37%??
1808長谷工コーポ1,30825026217792.1625.4730.06%1,3503.21%
2432ディー・エヌ・エー2,011500/360317792.1625.4730.13%2,21910.34%

2015/9の銘柄入替と比較してみました。日経平均は基本的には構成銘柄の株価の単純平均ですが、一部「みなし額面」により組入株価は調整されます。又、「除数」とは指数の連続性を維持するための数値ですが、詳しくは以前も紹介した株価指数入門をご覧ください。

ここで重要なのは「ウェート」と呼ばれる数値です。各銘柄の値動きが日経平均にどのくらい影響を与えるかを数値化したもので、過去の値動きを分析すると、この数値が大きい方が株価の上昇が期待できると考えられます。上の表を見て頂ければ今回の7272ヤマハ発動機は2015/9に入れ替えられた1808や2432に比べてウェートが大きいことが分かりますが、全体として見れば決して大きなウェートを持っている訳ではありません。又、もっと過去に遡って分析すると、1808や2432の上昇率は出来過ぎの感があり、今回さらに大きな上昇があるかと聞かれれば私は懐疑的です。むしろ、現在の株価は既に上がり過ぎだと考えています。
※念のためですが、あくまで私の判断であって、来週以降もっと株価が上昇する可能性は普通にありますからね。

又、6753シャープが日経平均の構成銘柄から除外されるであろうことは多くの投資家が予想していたでしょうし、代わりに採用される銘柄として7272ヤマハ発動機は本命中の本命でした。既にそれなりの先回り買いは入っていると考えた方が良いかもしれません。実際、選抜株式レースでも複数の方がこの銘柄を選択されていますし、私自身少し買っておこうかと思っていたくらいですから。

こういった分析をしつつ、仕掛けタイミング/手仕舞いタイミング/資金管理を考えていくのがコバンザメ投資の醍醐味です。
私はと言えば、現在打診買いとして少量を保有していますが、上にも書いた通り今は上がり過ぎと判断しています。とにかくリスクを排除したい私は、株価が目標価格まで下がって来ない限り、買い増しはしないでしょう。ただし、これはあくまで私の作戦であって、逆に株価が順調に上がればさらに買い増すという順張り戦略をとる投資家もいますし、売買タイミングと資金管理は好みが分かれるところです。いずれにしろ、7/31のリバランス日までウォッチしていきたいと思います。